フレンチロックの雄 : Magma / Atoll



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Magma - Mekanik Destruktiw Kommandoh

Mekanik Destructiw Kommandoh  超絶テクニカルプログレバンドと言えば、と言うかもっと更なる変態的な集団という印象の方が強いのだが…、何せ自分たちで言語まで作ってしまうワケだから、そういう変人はまずいないワケで、彼等しかそんなのは聞いたことないし、そもそも言語を作ってそれを歌うなんてアリか?超オタク的な発想…いや、独創的な発想なのだが、これがまた凄い。

 うん、マグマだ。  コバイア語なる言語を開発し、コバイア星人になって地球を制圧するのだ〜とばかりに攻め立ててくる「Mekanik Destruktiw Kommandoh」ってのはどんなんだ?とばかりに興味をそそるフランスの変態バンド。それがだな、実に破壊的且つアグレッシブなプログレッシブバンド…っつうか、ジャズ、が元なのかな?でも多分クラシック的な美しい展開を持っているあたりがヨーロッパなんだけど、まぁ、アメリカからは絶対に出てこないバンドっつうのは誰もが納得してくれるだろう。その「Mekanik Destruktiw Kommandoh」=通称「.M.D.K」なのだが、はっきり言ってとんでもない。一曲40分なのだが(笑)、なんつうのかなコレ、いわゆるプログレの情緒ある展開ではなくってひたすら声楽隊と強烈な音圧で迫ってくるベースとドラムが強烈な…、もうごめんなさい、僕が悪いです、とでも言いたくなるくらいに執拗に迫ってくる音なんだよ。聴かないとわからないよ、これは絶対。

 …とあまりにも抽象的に書いているのだが、全盛期クリムゾンよりも破壊的なんだけど、う〜ん、なんだろ?そこにはメロディーもリフによる曲らしい骨格も存在していなくて…こうやって書くと一体どんな曲なんだって思われるだろうけど、ただ単に楽器が鳴ってて歌が鳴ってる、でもなんか凄いパワーっつうとこ。

 このバンド、メジャーなところでは「Magma Live! (Hhai)」ってのが入門どころらしくて、この「.M.D.K」の終盤も収録されているのだが、全編収録しなかったのも納得できる名盤…、か?まぁ、これダメならマグマだめでしょ。だが、ひねくれ者の自分的にはベースがヤニック・トップではないのだが、「Theatre du Taur - Toulouse 1975」と言うライブ盤が好きだ。二枚組でしっかりと「.M.D.K」もフルで収録されているのでその破壊力の凄まじさをライブで聴けるというナイスなライブ盤。いわゆるライブアルバムと比べると音はかなり悪いのだが、何の、クリムゾンの「Earthbound」に比べれば全然大丈夫なので問題ない。こいつがとんでもなく凄いのでオススメだね。スタジオ盤での精密さも楽しいけどやっぱブリ切れてるライブの凄さはロックバンドだよ。アマゾンにもiTunesにもないのが残念だが…。

Magma - Magma Live Magma Live! (Hhai) Magma - Udu Wudu Udu Wudu Magma - Attahk Attahk

Magma - Kohntarkosz

Kohntarkosz  ザッパがアメリカの奇才として知られるならばマグマはフランスの奇才集団として知られている、と思いたい(笑)。いやぁ、変拍子や音楽的コンセプトというかストーリー仕立ての展開と独自の解釈、そして恐るべきテクニカル集団という意味でも両者は甲乙付けがたいと思うのだがさすがに文化の違いと方向性の違いは大きく、ザッパが明快で底抜けに楽しめる音楽であり、マグマはもちろん重く深く沈みこむ世界を構築しているという正反対。しかしどちらもコーラスやサウンドで世界を創り上げているという点では全く同じことなのかもしれない。…などと書くとマグマファンには怒られそうだが…。

 1974年リリースの名盤「Kohntarkosz」。前作「Mekanik Destruktiw Kommandoh」で構築した世界を発展させた、というかもちっと落ち着かせた感じのする作品なんだけど、それでもやっぱりヤニック・トップのベースのうねりはもの凄い。いや、それよりもだなぁ、何なんだ、この圧倒的な音圧と世界の深さは。よくよく聴いているとコーラスはいっぱい入っていて荘厳なんだけど、歌詞らしい歌詞はほとんど見当たらないという変わった作品で、いや、彼等にしては普通なんだけど、一般的には変わっているでしょ。これもなぁ、聴いてない人には想像つかない音かもしれないけど、変則的に構築された音世界にコーラスを加えていって荘厳さを出しながら、そして世界の終わりを感じさせるように畳みかけてくるというもので、プログレという陳腐な言葉の中に入れるべき音楽世界ではないっす。

 ただし、一人で没頭して聴く音楽であることは確かなので、決して他人と一緒に共有しようなどとは考えない方が賢明かと…(笑)。そういう意味ではクリムゾンなんかも一緒なんだけどさ、ま、そういう音。それで曲をある程度覚えてしまうと何て心地の良い世界なんだ〜と更に一人で籠もって聴くようになるワケですな。

 いや、そんなことはさておき、この「Kohntarkosz」というアルバムは彼等の4作目の作品ではありますが、ここら以降からちょっとサウンドが変化していく…というかそもそもサウンドが変化し続けていくバンドだったので指向性そのままなんだけど、でも以降も名盤をリリースし続けていて、この頃のライブ盤なんてのはどれもこれもぶっ飛びもので最高。

 なんつっても大作1曲が二分割されているのと小曲二曲という構成で、特に前半の「Kohntarkosz Part.1」は「ド〜レ〜ミ〜」っつうコーラスがひたすら迫ってくるものだけど、「Kohntarkosz Part.2」はもう静寂から激動へと見事に世界を表した作品で、曲事に優劣を付けるものでもないけど本作の目玉曲でしょ、当然。残りの小曲群にしてもなんつうのかな、すべてが終わった後の興奮を抑えてくれる余韻のようなもので、これがなかったら興奮しっぱなしだったんじゃないかっつう意味で非常に重要。それでもだんだんと盛り上がってしまうので、アルバム全編を通して非常〜にいやらしい世界を音で表現している(笑)。まぁ、こういうので興奮してくる輩ってのも非常に少ないとは思うのだが作る側はそういう意識で狙ってると思うなぁ…。

Magma - Live!

ライヴ!(K2HD/紙ジャケット仕様)  ドリームシアターの変態性ってのはそれでもアメリカならではのものだし、同じアメリカ人の中には同じように天才的変態っつうのでは黒人になるがプリンスっつう人もいるので、やはり大陸の大きさがその器の大きさを物語ってるかなぁというところだが、一方ではヨーロッパ大陸ではどうだろう?もちろんあの手の変わり者ってももいるのだが、中でも相当の変わり者っていうところでは…、ここで言う変わり者はそれがしっかりと世間に受け入れられているという重要な点を含んでいるワケで、単なる変わり者という意味ではないのだが…、いや、それが例えアーサー・ブラウンでもいいんだけどさ(笑)。で、まぁ、要するにフランスから出てきた変わり者、マグマっつうのがありかな、なんてね。

 いつ頃だったんだろうなぁ、英国プログレ系をかなり集めまくったところで少しばかりユーロ圏のプログレに手を出し始めてて、それでもそんなに多くのバンドは漁らなかったので大して知識はないんだけど、仲間の中で同じような方向性に行ってしまったヤツがいて、それがやたらとマグマにハマってイッタワケですな。まぁ、彼はベーシストっつうのも影響が大きかったんだろうなぁ。そんなことでひたすらマグマはあ〜だこ〜だ、と語っていて(笑)。まぁ、そこまで言われると聴きたくなろう、ってもんさ。最初に手を付けたのはご存じ「Mekanik Destruktiw Kommandoh」なんだけど、その後はやっぱり「ライヴ!」なワケでスタジオ盤の完成度よりもライブのブチ切れ度の方が高くて好きだ。だからこのアルバムが名盤として語られるのがよくわかる。声楽の凄さが彼等の強みでもあるんだろうけど、それをイカしながら楽器隊の強烈な、完璧な演奏がそれに輪をかけて緊張感を醸し出しているっつうところだな。スタジオ盤でのバックが押さえ気味になっているミックスとは大きく異なったライブアルバムの迫力とストーリー作りはハマるに相応しいアルバム♪もちろんテクニック面では抜群のばんどなので言うことないし。しかも30分以上に渡る「Magma - Magma Live - Kohntark Kontark」は最後の最後が超悶絶!

 しかしまぁ、マグマの音楽はスタジオ盤ばかりを聴いていると非常に眠くなってくる時もあるし滅茶苦茶ハイになる時もあるという実に不思議な音で困る(笑)。音楽的にどんなのなのか?って言われても一言で言えないよなぁ…、プログレっていうにもちょっと抵抗あるし…。そんな魅惑的な音を楽しめるのも幸せ♪  そう言えばヤニック・トップさんが在籍していた時期の寄せ集めライブ集「幻の音像」ってのもリリースされているのでいずれ聴いてみたいなと。未発表曲やら何夜らとあるみたいなので結構お楽しみっぽい。

Magma - Magma Live Live Magma - Kohntarkosz Kohntarkosz

Atoll - Musiciens Magiciens

ミュージシャンズ・マジシャン  フランスの誇るプログレッシブバンドのひとつが破壊的且つ変態的なマグマであるならば、双璧をなるもう一つのバンドがアトールと云える。一般的にはフランスのイエスと形容されることが多くて、だから故にあまり聴こうと云う気がしなかったバンドなのでそういうキャッチコピーの善し悪しってのは凄く重要だよな、と思う。だから実際自分で聴いてみるまではあまり形容詞ってのは信用しない方が良いんだよな。それで聴くの遅れたんだもん。もったいない…。

 「ミュージシャンズ・マジシャン

 1974年にリリースされた彼等のファーストアルバムだが、ファーストでこのクォリティの高さってもの凄いモノがある。おかげでこの後にリリースされたもう一つの有名なアルバム「組曲「夢魔」」とこのファーストアルバム「ミュージシャンズ・マジシャン」だけでアトールが語られてしまうことが多く、もちろん自分もそのクチなので偉そうに語れないんだけど、ホント、これは凄い完成度。そして大きな声で言っておかないといけないのが、フランスのイエスという形容詞はよろしくない。キャッチコピー的に言いたいことはわかるんだが…、いや、シンフォニックな演奏と美しいコーラスにハイトーンの歌声と優れた演奏テクニック…、確かにそうやって書くとイエス的なんだけど、聴いてみるとね、全然そういうイメージじゃなくって、もっと普通にプログレ的に聴けるロックバンドで…、あぁ、俺イエスのダメなところがよくわかっちゃった、みたいな感じで、このバンドは全然かっこいいって思えるもん。キメやら変拍子やらバイオリンの音色やら心地良くってさ、頑張って曲作ってるなぁ〜っていう凄さと完全にそれをモノにしている気持ちよさ。プログレいいなぁって思う人は多分好き。

 ホントはクリムゾン的破壊力というシリーズに準えて「組曲「夢魔」」を取り上げたかったんだけど、CDが見つからなかったのでファーストで我慢♪ ジャケットはこっちの方が好きなので、まぁ、いいでしょ(笑)。フランス語によるプログレッシブロックはなかなか響きとしても面白いし、サウンド的にも息詰まるものとフランス語の特性というのか息が抜ける発音っつうのも笑えてよろしい。美しいのは確かだが、涙涙の叙情さってのはイタリアには負ける(笑)。シンフォニックさならっだんぜんこっちだが…、その中にも粗野なロック的ナンバーもあったりするので面白い。ベースサウンドがなかなか聴きモノよ♪

Atoll - L'Araignee-Mal

組曲・夢魔  ユーロロックへの道標として挙げられる作品群の中には必ず入ってくる定番作品というものがいくつかある。自分的にもほとんどそこから素直に入っていて、なかなかわかりにくかったユーロロックの世界への扉を開けてくれたのは概ねそういう作品だ。普通のロックならばどこかで聴いてかっこよかったから、とかいうので探して聴けただろうがユーロロックともなるとやはりそうは行かないものだ(笑)。英国のプログレを漁っているとだんだんとそういうものに出逢うようになってくる。レコードの餌箱漁っているとプログレの次に必ずユーロロックというコーナーがあるのでついそのまま見てしまうのでジャケットだけは結構覚えていたりする。いまだにジャケットだけが鮮明で中味を聴いていないのもいっぱいあるもん。

 スカッとハズしてフランスのプログレッシブバンド、アトールの超代表作で1975年リリースのセカンドアルバム「組曲・夢魔」。まぁ、日本で売り出すときに使われた宣伝文句が「フランスのイエス」だったので、どうしてもそういう先入観があるんだけど、聴いてみるとあまりそんな風には感じなくって、もちろんイエスらしい緻密さはあったりするので全体感としてはあるけど、もっと柔らかいっつうか、ほわぁ〜っとしてる部分がある。音色の問題かもしれないしバイオリンのせいかもしれないけどね。あ、多分フランス語のせいだ(笑)。

 何というんだろうね、こういう音世界は。メルヘンチックな空気に包まれた透明感溢れた音で、どの楽器も自分を主張し過ぎていないためにバンド全体の音として非常に聴きやすいソフトチックな空気が流れている。そしてテクニックは恐ろしく正確なのでその辺は安心なんだけど、だからこそ面白味という部分では難しいのかな。いやぁ、よく出来てる。冷淡なまでの音の洪水はシンプルなロックファンを寄せ付けない、知的なリスナーの琴線に触れるべく音作りが成されていて、サウンドコラージュも散りばめられた決して冒頭に書いたようなユーロロックの名盤として誰もが気軽に聴いて楽しい音、ではない(笑)。この世界にハマり込む人達には相当に絶賛されるアルバムというのは多分確かで、構築美が素晴らしい。アルバム全体を通して似たような曲調が並ぶという難点はあるものの、やっぱり安らぐ音世界だしね。

 やっぱ難しいなぁ、こういうの書くのって。音のひとつひとつまで知り尽くしていないと書けないかも。趣味で言ってしまえば、あんまり聴く作品じゃないのも事実。途中で飽きちゃうんだよね。名盤に対して失礼ではあるんだけど、ちょっと小難しいというか、ね。ただ、やっぱり聴いておくべき作品ではあるよな、と。

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