クラウトロックの雄 : Kraftwerk / Neu! / Klaus Nomi / Tangerine Dream / Amon Duul II / Slapp Happy



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Kraftwerk - Kraftwerk

Kraftwerk  クラウス・ディンガーが過去に在籍していたバンドとして有名なクラフトワーク。う〜ん、書いてしまうと非常に簡単な言い方なんだけど、自分的にはそれを知った時って結構驚いた。何がって、クラフトワークって70年代後期のバンドだと思ってて、それこそYMOとかと同じ頃にヨーロッパで活躍していたっつう感じで認識していたので、それがクラウス・ディンガーが過去に在籍していたってどういうこと?みたいな(笑)。ノイ!の方が早いと思ってたもんなぁ。結局クラウス・ディンガーはクラフトワークになってすぐに離脱したみたいで、すぐに「ノイ!」を組んでリリースしているんだよね。だから不思議なもので、まるでEL&Pのグレッグ・レイクがクリムゾンにいた、みたいな感じで、どっちもビッグネームなワケだ。

 1971年リリースのクラフトワーク最初のアルバム「Kraftwerk」。この時点で既にクラウス・ディンガーは不在なのだが、後に「The Man-Machine」などで聴かれるテクノポップなどというようなサウンドを最初からやっていたワケではないことがよくわかる、実験的サウンドの塊。ただ、一連のクラウトロック系のアンビエントな音からしてみたらかなりポップなのでそういう意味では十分にメジャー作品として聴けるのだが、本人達からは完全否定抹消されている作品らしく、未だにきちんとした形でCD化されていない模様。アマゾンとかで買えるのはイタリアのレーベルがリリースしたブツで、まぁ、オフィシャルっちゃぁオフィシャルだけどね。

 音的には、別に聴いても聴かなくても害のないものなんだけど(笑)、かなり固定された楽器の中で実験的にテーマを奏でているようなもので、不思議と暗さとか重さというものは感じない。淡々と垂れ流される無機質な音、うん、きちんと音楽しているのでその辺聴きやすい。後のテクノポップ路線へのシフトもよくわかる音。だけど本人達否定するように決して作品的にという意味ではないなぁ(笑)。好きな人は好きになるだろうけど、それにしては稚拙かもしれん。そこで以降の路線と傑作を発表していくワケだな。それにしてもコンセプトがしっかりしているバンドだったものだ。そして今でも現役で活動しているってことは既に40年近くやってるってこと?うわぁ〜、知らなかった。そんなに長いんだ。

Neu! - Neu!

ノイ!  何とはなしにジャーマンロック…クラウトロックというものに接したくなった。接する、というのは音楽を聴くという感じではなくってやっぱり接する、なのだ。ロックって深いなぁ〜と思う世界を久々に体感♪ ドイツ産ロックだからジャーマンロックってのでもなく、ドイツのプログレだからジャーマンロックってのでもなく、ジャーマンロックって不思議な響きと意味合いがあって、更にクラウトロックとなると正にプログレではない、はずだ。プログレッシヴを超えてるんだもん(笑)。アヴァンギャルド、ってのともちょっと違って…、何というのかミニマルミュージックが相応しいのか果たして云々…。

 「ノイ!」と読むハズだ。英語の意味は「New」なのだろう。先日このバンドの中心人物のクラウス・ディンガーが亡くなったとのことで、あちこちでこのアルバムジャケットを目にした。う〜ん、これが1971年リリースのファーストアルバムなんだけど、誰が好んでこんなのをメジャー配給でリリースしたんだろうか?まぁ、聴きようによってはリラクゼーションの部類に入るサウンドなのかもしれないけれど、ロックの世界で聴くと、そして間違った入り方すると「へ?」ってな音にしか聞こえなくて絶対一般化されるはずのないサウンド、でしょ。

 ところが音楽の不思議な世界、そして嗜好性の不思議な世界が化学反応を起こした時、またはそんなタイミングの時に聴くとだな、これが非常〜に心地良かったりして恐ろしい。自然のリズムというか感性に響くというか、天然の奏でる音なのかあまり深く解明できるものじゃないけど、快感にすらなってくるから恐ろしい。勘違いされると困るので一応書いておくが、サウンドコラージュが散りばめられた音なので普通の音楽ではありません。そこには歌も歌詞もギターとかそういう音もなくて、メロディであるのはベースくらいか?まぁ、鍵盤もあるっちゃぁあるが、期待するようなものではない。

 これさ、最初の「ハロガロ」っつうのからして10分強なんだが、心地良いんだ〜。おかしいんだけどさ、集中して聴いてしまうんだよ。これを愛聴盤とする人って多いんだろうと思う。ただ非常〜にインドアな世界なので何とも言えないが…。ハンマービートと呼ばれる類のものらしいんだけど、やっぱりハマる人にはハマるね、こういうのは。

 う〜ん、クラウトロックの世界、やっぱ深いわぁ〜。

Klaus Nomi - Klaus Nomi

オペラ・ロック(紙ジャケット仕様)  オペラってマジメにキチンと聴いたことないし見たこともない。これでは音楽ファンとしてはやっぱり大したことはないワケで、所詮ロック小僧なワケだと自覚する(笑)。高尚な音楽というものも存在するしクラシックの世界ってのはやっぱり芸術を創り出してるもん。産み出しているのではなく創り出している。ロックは割と産み出しているってのが多いけど。ま、そんな言葉遊びはともかく、オペラ歌手ってどんなんだろうなぁ…と思いつつロックでオペラの声やってるのって…、フレディ・マーキュリーくらいしか思い付かんなぁ…とネットで適当に検索。すると、これだ。

 「オペラ・ロック」っという邦題が付けられていたが故にヒットしまくった。ロックオペラだとちょっと違うけどオペラ・ロックだから、これだったんだ。そうか、なるほど…と。そういう分類で聴いたことはなかったし聴いたのも随分と昔の話で果たしてどんなんだったか…。っつうかあるのか、これ?とアレコレ…。印象深いジャケットとクラウス・ノミというキャラクターの濃さが圧倒的で、ウケるとかそういう次元を超えていて圧倒的なインパクトだよね。デヴィッド・ボウイとの共演でテレビに出ていた映像は見たことあるので、そのインパクトが強かったのと、ちょっと前にスカパー見てたらクラウス・ノミの生い立ちみたいな番組やってて、こんな人だったんだ…と改めて感じた記憶がある。結構苦労して変態的なことをやってた節もあるのと、そもそも素質があった、ってのもあるんだろうけど、やっぱりアングラな方だったんだと。

 そしてアルバム「オペラ・ロック」。なんつうか…、ナメてるっつうのか、アヴァンギャルドっつうのか…、斬新な展開と歌…。もともとオペラを専攻していたってのもあるからオペラチックな歌には多少できるだろうというものだったんだろうけど、基本パフォーマーだからちょっと無理があるんじゃない?なんて感じはあるけど、上手いヘタを超えて圧倒的にクラウス・ノミの世界。サウンドはニューウェイブ的な無機質なテクノ的サウンドが基本だけど、歌がもうヘン(笑)。冗談としか思えないけどさ、こういうのって他にいないしやっぱ独特のパフォーマンス世界。

 …ず〜っと誰かの何かのアルバムに似ているなぁ…と思ってるんだけど何だっけかな?こういう手法と曲調と歌って…、思い出せない…。

 そして「The Cold Song」を聴いてふと思い出すのはあのスネークマンショー…、そうそう、これだ(笑)。こんなにシリアスな曲なのにウケてしまうのはいかん(笑)。

Tangerine Dream - Phaedra

Phaedra  ドイツの有名なヘンなバンドとしてこちらも名高いタンジェリン・ドリーム。驚くことにバンドが解散したことはなく今でもエドガー・フローゼだけがオリジナルメンバーとして参加している現役バンド…もちろん70年代当時と比べてはいけないが、その息の長さは大したものだろう。  で、有名な作品…と云うか、多分この辺聴く人って好きなのは「Phaedra」「Rubycon」「Ricochet」くらいしかないんじゃないかな。

 もちろん「好き」っていう度合いの問題は大きくあるんだと思うけど、聴いたことのない人のために書いておくとはっきり言ってしまえば環境音楽。ヒーリングとは違って別にリラックスはしないんだけど、音を聴いているとイメージが浮かぶ、そんな曲調ばかり。シンセサイザーを全面に出したなんつうんだろうな、アンビエントミュージックって云われるんだけど、雰囲気をそのまま音にしたもので映画のサントラ的に使われるようなものって思ってもらえれば良い。

 で、1974年の「Phaedra」が英国のバージンレコードからリリースされたのがきっかけで世界に知名度を上げたワケで、この作品が最も名高い。サウンドはもちろん環境音楽系(笑)。いや、マジメに聴くとホントにゾクゾクする瞬間もいっぱいあるし、目を閉じて聴いているとホントに風景が目に浮かんだりするのでそれは凄いセンスだし、楽器も当然良く練られて使われている。

 嫌いではないけど別にハマりまくって聴くか?っていうのはあるんでそこらへんの音楽的発想がドイツなんだよな(笑)。前衛的ではあったけど、音楽世界としてはかなり確立しているのでアンビエントなんだろう。心地良く聴く分にはものすごくBGMとして効果があるような気がするが、やっぱロックとは云えないよなぁ…。

Amon Duul II - Made In Germany

Made in Germany  ドイツ産音楽の中でようやく普通のロックの範疇内でメジャーな(?)バンドが出てきました。アモン・デュール2です。一般的にはもちろんファーストアルバム「Phallus Dei」「Yeti」「Tanz Der Lemminge」が語られることが多いんだけど、自分の場合はたまたま最初に入手したのが「Made In Germany」だったので、これが良いのだ(笑)。

 もともとはアモン・デュールというコミューンが構成されていて、その中からバンドが出来上がっていったみたいなんだけど、脱退した連中が同じように「2」を付けてバンド活動を開始したためにこういうバンド名になったらしい。さすが偏屈なドイツ人(笑)。んなことで1969年に「Phallus Dei」でデビューしているがこれももちろん独特の音世界なのでオススメではあるが、今回の「Made In Germany」

 1975年作品で、大作は一曲くらいで全然大作なし。驚くばかりのカラフルでポップ感覚に溢れた軽快な曲が羅列されていて、もの凄く良いのだ。この作品で聴ける音はストリングスを始めとする多数の楽器を用いて多彩な音世界を出している。もちろん歌下手だし、演奏もそんなに大したもんではないけど、このキャッチーさは英国サイケデリックポップの世界に通じるね。まさかドイツのバンドがこんなサウンドできるとは思わなかったって云えるくらい意外な衝撃を受けた記憶があるなぁ。常に大作志向のプログレバンド、みたいな印象だったんだけど全然勘違いする作品で、これは英国ロック好きには気に入られる作品なんじゃないかな。オープニングから綺麗なストリングスが奏でられて「ん?」って感じで曲がスタート。いいね、これ!コーラスの響きもたまらんし、メロディーも良いよ、ほんと。どっちかっつうとベルベット・アンダーグラウンドがもうちょっとメジャーになった感じもあるかな。もちろんそれでもやっぱりヘンなアングラ系サウンドもしっかりあるのでバンドの魅力が深まるね。

 あんまり真剣に取り組んだことの無いバンドだったので今回の発見は結構新鮮で、妙な偏見でバンドを見てはいけないなぁと改めて考えさせられたバンドのひとつ。

Slapp Happy - Sort Of

ソート・オヴ(紙ジャケット仕様)  アヴァンギャルドの定義って何?そう言わせたくなるバンドも中にはあって、これってポップスに近いじゃないか、ってのを実践していたのがスラップ・ハッピーというバンド。英国人のアンソニー・ムーアとアメリカ人のピーター・プレグヴァルっても名前がアメリカ人じゃないからなぁ…(笑)、それにアンソニー・ムーアの恋人だったドイツ人のダグマー・クラウゼの三人で創り上げたバンドで、不思議なんだけどドラムもベースもいないのにどうやって出てきたのか…、よほどアンソニー・ムーアの才能が光ったんだろう。

 1972年リリースのデビューアルバム「ソート・オヴ」、バックの演奏はどういう交流があったのかわかんないけどファウストの面々がやっている。まぁ、その世界って結構狭かったりするのでアヴァンギャルド志向の人達が一緒にいてもおかしくないんだけど、その時点でなぜスラップ・ハッピーがアヴァンギャルドに属していたのか?まぁ、やっている当人達には単なるヘンなバンド仲間って感じなんだろうけど、不思議なアングラシーンだったんだねぇ。ファウストの面々にしても恐らく鍵盤と歌だけが入れられたテープを元にここまでのバックが付けられているだろうから、さすがにヘンな才能に秀でていたミュージシャン達なことが証明されているんだな、これ。

 しかしそれよりも凄いのはやはりダグマー・クラウゼの歌声。天使のように聞こえてしまう澄んだ声で妙〜なバックのサウンドとは全く異なる異質なポップメロディを歌い上げてくれる。このファーストアルバム「ソート・オヴ」ではまだもう一人のピーター・プレグヴァルの歌もかなりフューチャーされているのでそれも不可思議な世界を作ってくれているんだけど、これってホントにアヴァンギャルドか?そう思えるくらいこの変なバンドは万人にオススメできるものなのだ。

 でも、ヘン、だけどね。

 何がなんだろうか?リズムもメロディもベースもあるしちょっとカラフルに彩られた音色が入っているだけで、一体何がヘンなんだ?メンツだけで決めていないか?という側面も大きいと思うけど、実際聴くとやっぱりどこかヘン…。このアルバム「ソート・オヴ」は後の「Casablanca Moon」の素晴らしさには劣るが、そんじょそこらのバンドからしたら圧倒的に素晴らしい質の作品なのだ。どれもこれも愛らしい歌声が良くてね。

 でも、ヘン(笑)。

Slapp Happy - Casablanca Moon

Casablanca Moon/Desperate Straights  ヴァージンレコードの話が出たところで…、マイク・オールドフィールドのような前衛的な音楽を最初からリリースするという実験色の強いレーベルのイメージがあったワケだが、それでも拒絶したサウンドというものがやっぱりあったんだなぁ。それがアマチュアレベルのものだったり音楽的価値がないものであれば別に何とも思わないんだけど、そうじゃない作品なのでちょっと不思議。まあ商売センスに長けた人間もいたってことだろう。カンタベリー系譜の中でももっとも難解且つ発展しているバンドはヘンリー・カウ周辺なワケだが、その前身…というかまぁいいや、ややこしい話はどこかのウェブサイトで見てもらうとして、ダグマー・クラウゼが最初にメジャー(?)になった記念すべきバンド、Slapp Happyのファースト「Casablanca Moon」のポップさを堪能してみた。

 …とは言っても全くメジャーではないアングラなアバンギャルドバンドとして語られることがあるが故になかなかこのファーストアルバム「Casablanca Moon」のポップさが浸透してないのもある。何も知らずに普通にラジオや店頭なんかでこれが流れていたらもっと自然に手を伸ばす人も多いんじゃないかな。ケイト・ブッシュがあれだけメジャーならばこの「Casablanca Moon」もそれなりにメジャーでもいいはず。そう、そんな感じの音楽なのだ(…と言ったら怒られるかもしれんが)。切ないバイオリンとピアノが奏でられ、七色変化のダグマーの美しい歌声が鳴り響く知的で極上のポップスなんだけど、やっぱりどこか暗さとロックさとカンタベリーさがあるんだよな、ここがアングラな理由なんだろう。しかし一聴した限り、大変極上サウンドで聴きやすいのは間違いないのでもっと違った括り方で語られた方が面白いはず。

 ちなみにこのファーストアルバム「Casablanca Moon」が何故にヴァージンに拒否されたか。元々は今やCDでも聴ける「Acnalbasac Noom」というアルバムとして1973年にドイツの有名なバンド、ファウストをバックに配して録音された作品だったのだが、そのあまりにもドロッとしたバンドの音には受け入れられなかったようだ。そのドロさを取っ払ってイギリス人のミュージシャンを使ってさっぱりとしたポップス調に仕上げられたのがバージン盤「Casablanca Moon」なワケで、そのいきさつがまるごとCDで聴けるというのも面白い。聞き比べて、どっちがいいかお試しあれ。もちろんどっちも良さはあるから一概に言えないけどね。ちなみに現行CDでは彼等のセカンドアルバム「Desperate Straights」とカップリングで二粒おいしいのでお得♪

  こっちはヘンリー・カウがバックについたかなり前衛的なサウンドにダグマーの歌が相変わらずのポップさでのっかった摩訶不思議な音楽。以降Slapp HappyはHenry Cowに吸収合併されるのであった…。

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